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長尾 誠也; 松永 武; 藤嶽 暢英*; 天野 光
Proceedings of the International Workshop on Distribution and Speciation of Radionuclides in the Environment, p.162 - 168, 2000/00
環境中における放射性核種の挙動を予測するためには、天然水中の放射性核種の溶存形態を調べる必要がある。本研究では、ウクライナのチェルノブイル地域を流れる有機物濃度が高いpH7-8の河川水を対象に、放射性核種の溶存形態を分子サイズの観点より調べ、無機及び有機コロイドとの親和性を検討した。1996年3月と9月に採取した河川水は、限外濾過法により分画分子サイズ1万以上とそれ以下に分別した。分子サイズ1万以上に存在するSr,Pu,Amの割合は、それぞれ2-20%,68-79%,57-62%であった。有機物の有機炭素は25-36%存在したが、アルミノ珪酸塩鉱物の主成分であるケイ素は3%しか検出されなかった。また、河川水から分離した高分子の有機物の腐植物質存在下で、amは河川水と同様な分子サイズ分布を示した。以上の結果より、上記の河川水中でアクチノイドは有機物との擬似コロイドとして溶存していると考えられる。